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■■■■今までのコラム■■■■

広告の原点は、人にあり。
--嶋浩一郎の広告発想術--

2013.10.16

 

 みなさん、こんにちは。はみだし泰造です。
 もっと早くコラムをアップしなければいけないのに、はみだし塾が終わるとホッとしてしまうのか、いや、気が抜けるのか、時間が開いてしまいます(ゴメンナサイ、特に関係者のみなさま)。
 嶋浩一郎さんのはみだし塾は、8月30日の開催でした。あれから、もう2ヶ月近くが...。
 それにしても嶋さんの講演、ぶっちぎりの快走、マシンガントークでした! でも、おもしろくて、惹き込まれて、どこか温かみがある。不思議ですね。すごい情報量なのに、嶋さんという人を介したとき、「なるほど」と納得してしまう何かがある。人柄でしょうか? いや、人が考えることのおもしろさ、真似のできないユニークさ。嶋さんのクリエイティブや発想もまた、人、それも「ひとりの人」が基点になっているような気がします。  嶋さん、ひとつの広告は(多少大きなキャンペーンであっても)、基本、全部ひとりで考え、全部ひとりでやる、とまで言い切りました。この時代、広告の、特にアウトプットを考えると、メディアや手法は多岐に渡り、どうしても仕事をそれぞれのプロに分担しがちです。でも、それを受け取る側(消費者)は、しょせん、ひとりの人。またメディアが複雑になればなるほど、逆に、ひとつのアイデア、ひとつのトーンでメッセージを伝えた方が伝えやすい。
 この時代だからこそ、「ひとり」でやりきることが重要なのでしょう。そして、嶋浩一郎という人は、人をよく観察する人だなぁ、という印象を受けました。「街で文句を言っている人を見つけたらチャンス!」ですって。文句を言う人がいる。また、クレーマーか!?なんて思ってしまいそうですが、その文句の裏側には、おもしろいビジネスチャンスが潜んでいるかもしれないわけで。
 先日、ぼくはおもしろい醤油に出会いました。なんと、小さなスプレー付きのボトルのなかに入っているんです。「瓶では、醤油が出過ぎて困る!」とだれかが文句を言ったかどうかはわかりませんが、塩分の取り過ぎに気をつけなければならない人、つけたりかけたりではなく、たとえばステーキなどにちょっとだけ醤油の風味をつけたい場合、スプレー付きのボトルはとても重宝します。
 嶋さん、こんなことも言ってましたっけ。「自分は、欲望をどう見つけるかを常に考えている」と。人の欲望は果てしない。同様に、人は、どんなに便利で満たされた時代になっても文句を言いたがる。つまり、広告を発想するヒントや、新しいモノをつくり出すチャンスは、いくらでもころがっている、というわけです。そこに人がいて、欲望や文句があるかぎり。とかく広告が行き詰まりがちな今日、嶋さんの発想や視点は、もう一度原点に帰らせてくれるような気がして、新鮮でした。
 それにしても、広告のクリエイターで本屋さんを経営する人って、めずらしい!世界中探したって、他にいないかもしれません。アマゾン全盛の、そうでなくても活字離れが著しい時代に、あえて本屋なんてどうかしている。でも、そもそも本屋自体を変えて、おもしろくしてしまえば、逆に、アマゾンでも、大型書店でも出会えない本に巡り会えることはあるかもしれない。100万人が欲しいと思う本が100万冊ある本屋より、たったひとりの人が最高におもしろいと思う本を100冊そろえている本屋の方が(ましてそこにビールなんかあれば)、よほど、そちらの方が「読みたい」「買いたい」という人の欲望をそそるかもしれない。
 やっぱり、おもしろいのは人なんですよね。いつの時代も。嶋さんのマシンガントークは、実は、そんなシンプルなことを言っていたような気がします。

 さて、次回のはみだし塾は、GROUND代表、クリエイティブディレクターの高松聡さんをゲストにお迎えします。なんと「Advertising is dead . 」という、思い切ったタイトル。なんでもいま、宇宙旅行の代理店をやろうとしている(すでにやっている?)そうですから、高松さんのつくり出す広告同様、スケールのでかい人です。高松さんの見る広告の行方。さてどんな話が飛び出すか、興味津々です。ご期待ください!

はみだし泰造