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■■■■今までのコラム■■■■

広告の、その先へ。
〜高松聡という生き方〜

2013.12.20

 

 みなさん、こんにちは。はみだし泰造です。
 17回目のはみだし塾は、GROUNDの代表で、クリエイティブディレクターの高松聡さんをゲスト講師にお迎えしました。
 タイトルが、実に挑戦的! Advertising is Dead. ズバリ、広告は死んだ。
 もちろん、高松さんはいまのところ、広告の渦中にいる人、しかも多忙を極める人なわけだけれども、あえてそう言い切ってみる。進むべき、次のステージを見極めるためにも。そんな意志を持ったタイトルだったと思います。
 冒頭、まず自分の夢を語る高松さん。なんでも、「宇宙飛行士になりたかった」のだとか。その夢は諦めざるを得なかったものの、宇宙に旅すること自体はあきらめるどころか、その名もSpace Travelという、宇宙への旅を販売する代理店を立ち上げたくらい。その前には、宇宙でCMを撮るためのSpace Filmsという会社をつくり、ポカリスエットの宇宙CMを実現させてしまったのは有名な話。日清カップヌードルのNO BORDERのCMや「パブリックビューイング・イン・東京」や「教えて!goo」なども含めて、高松さんという人のことを考えるとき、その発想のスケールの大きさや、従来のメディアの枠にとらわれない活動から、「ボーダーレス」あるいは「グローバル」というキーワードが浮かび上がってきそうです。
 そもそも高松さんの手がけてきた広告は、広告だったのでしょうか?
 「記者発表のないキャンペーンはほぼなかった」と言うくらい、ほとんどのものが、PR的だったり、いわゆるインテグレーテッド・キャンペーンの典型だったりして、テレビを主体とした従来の広告手法や、ウェブ連動型のコミュニケーションを大きく逸脱したものが多い。すでに、いわゆる広告ではなかったような気がします。そして、高松聡と言う人は、クリエイターと言うより、大きなストーリーを描く戦略プランナー(そんな言葉ないか?笑)かも知れないと思います。その高松さんをして、「Advertising is Dead.」と言わしめている現実とは何か?  いま、ぼくらの身のまわりに起こっている事例をいくつか取り上げて、話が進みます。たとえば、嘘を守ることは不可能になる。いまや、企業も製品もネット上の情報で丸裸にされてしまう時代。うわべの表現でモノが動く時代では、確かにないのでしょう。いま、本当に売れているもの(ホーロー鍋や扇風機の例が挙げられました)は、まったく広告などしていないけれど、どこでどうしてか、消費者に価値が伝わっているものだったりする。テレビ以上に、YouTubeで動画を見る人が増えている。でも、見たいコンテンツの前につく広告が、なんとも鬱陶しい。そんな風に、押し付け型(プッシュ型)の、その人にとって価値のない広告は嫌われ、やがて淘汰されて行くだろう。どこをどう切り取っても、従来の広告は死んで行くというストーリーにしかならない。
 でも。もしほんとうにそうなら、ある意味、クリエイターには、チャンスだと言えるかもしれません。エンターテイメントとして突き抜けているとか、ほんとうに価値のある情報を提供すればいいのだから。高松さんもこう言っています。「ピュアなクリエイティビティのあるコンテンツがあるかないか。プッシュ型ではなく、プル型のブランディングに最大の可能性がある」と。ほんとうに人を引きつける情報と表現だけが生き残る、というわけです。
 問われているのは、生き方かもしれない。Advertising is Dead. 具体的には語られなかったけれど、あえてそう言うことで、高松さんは次のステージに向かっているように思いました。たぶんそれは、企業とか地域とか国と言った境目を失くし(ボーダーレス)、高松さんが真に共感するモノやコトやヒトを相手に、地球規模で(グローバル)発想する何かであるはず。近い将来、高松さんは宇宙に行くでしょうし(いや、マジで)、日本に住んで日本の企業を相手にしている姿が想像できない。う〜ん、目が離せないなぁ。高松聡よ、どこに行く? 思わずそう考えてしまうほど、並々ならぬ決意のようなものを感じさせるはみだし塾になりました。

 さて、並河進さんからはじまって、<いま広告の世界からもっともはみだして活動している人>から学ぶシリーズの最終回は、プロデューサーの石川淳哉さんの登場です。題して「広告から告広へ」。
インターネットとデジタルの時代の到来をいち早く察知して、「デジタルデザインラボラトリー」を立ち上げ、その後、「ドリームデザイン」を興して、クライアントの課題を解決するコミュニケーションに向き合って来た石川さん。しかし、東日本大震災を境に、その活動は、企業中心から社会中心へと大きく舵を切りました。時代が要請する課題解決に、とことん敏感な人なのだと思います。そして、石川さんは、まるで少年、いや、ガキ大将です。広告で培った能力で、いまぼくらにできることは何か。その夢について、彼ほど熱く語れる人はいないと思います。しかも、多様な人を巻き込んで。
石川さんには、ただ「講演」してもらうだけでなく、参加者のみなさんと「告広の時代」についていっしょに考えるワークショップもやって欲しいとお願いしました。ぜひ、2回の参加をお願いします。講演だけの参加もOKですが、ワークショップのみの参加はご遠慮ください。あくまでも、石川さんのお話を受け止めた後、さていっしょに考えようという試みですから。 2014年、幕開けにふさわしいはみだし塾になりそうです! ご期待ください。

はみだし泰造