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■■■■今までのコラム■■■■

ザ・プロデューサー、愛の人・石川淳哉!
--広告から告広へー

2014.03.17

 

 みなさん、こんにちは。はみだし塾・塾長の今村直樹です(これまで"はみだし泰造"を名乗ってきましたが、あまりにも浸透しないのでこれからは実名で笑)。
 今年1月24日に行われた18回目のはみだし塾は、プロデューサーで(株)ドリームデザインの代表、公益社団法人助けあいジャパンの情報レンジャー隊長など、さまざまな肩書きを持つこの人、石川淳哉さんをゲストにお迎えしました。
 石川さんをひと言で表すなら、ザ・プロデューサー。プロデューサーという仕事を、「企業や社会の課題解決に、さまざまなクリエイターの力を動員して、その活動と表現の仕組み・経済・効果全般に責任を持つ人」と定義するなら、この人こそ、まさにプロデューサーだとぼくは思っています。
 いわゆるクリエイティブな世界で、プロデューサーという肩書きを持つ人は実に多い。クライアントや広告会社のニーズを汲み取って、スタッフを決めたり、予算管理をしたりするのがプロデューサーだと一般に考えられています。しかし、言葉本来の意味で言うなら、プロデューサーとは、仕事を請け負う人ではなく、仕事を創り出す人であるべきだとぼくは考えています。その意味で、案外、プロデューサーこそ、限りなくクリエイター的な存在なのではないでしょうか?まさに石川さんがそう。「世界がもし100人の村だったら」の出版を手がけことや、「retired weapons」というプロジェクト、最近の松任谷由実40周年記念アルバム「日本の恋と、ユーミンと。」のプロデュースも、石川さんのプロデュース能力はもちろんのこと、クリエイターとしての発想や直感がなければ生まれていなかったでしょう。
 ぼくが石川さんを初めて知ったのは、3.11の直後に行われた雑誌『ブレーン』のためのインターネット・チャット会議の「席上」でした。あの頃、ぼく自身は、情けないことに金縛りにあったように何もアクションを起こせないでいるなかで、ネットを通じて伝わってくる石川さんの発言と行動は、目を見張るものでした。佐藤尚之さん、石川さん、そして森本千絵さんとの連携で生まれた「Pray for Japan」から、その後の「助けあいジャパン」へと、ものすごい勢いとスピードで、石川さんを中心とする活動は、多くの人や組織を巻き込んだムーブメントになって行きました。復興支援関係のイベントに行くと、常にふら〜っとそこに現れる石川淳哉がいて、「この人いったいいつ仕事をしているのか?」と思ったほどです(笑)。それくらい、東日本大震災後の石川さんは、復興支援のための活動に没頭し、完全に「ソーシャルな課題解決のためのプロデュース」に舵を切っていたのだと思います。
 この日の講演テーマは、「広告から告広へ」。つまり、「広く告げる」従来の広告の仕組みから、ソーシャルなメディアと活動を通して「告げたくなって広がってゆく」コミュニケーションへ。その時代が要請する変化について、さまざまな事例を通して語られました。企業の活動も、広告の役割も、本来は、社会の課題を解決し人に幸福をもたらすためにあるはず。多くの人や企業が、商品開発やブランド戦略で、時代の変化に見合った新しいコミュニケーションとクリエイティブを求めています。でも、それは、口で言うほど簡単なことではありません。柔らかい発想、思いついたことをすぐにはじめてしまう実行力、人を巻き込む情報発信力など、気の抜けない、常識にとらわれない様々な能力が求められます。
 シンプルであり、難しくもあるその能力とは、ひと言で言うなら、「愛」かもしれません。その愛を、石川淳哉という人に感じるんだなぁ、ぼくは。大きな愛の力で動いている人だと、いつも感じています。そして、いわゆる「大物プロデューサー」という人が例外なくそうであるように、なんだかよくわからないところもある(笑)。深く、広く、さまざまな人、企業、行政など(つまりステークホルダー)を相手に、今日も課題解決のための知恵と作戦を練っている。そんな気がしています。
 石川さんの講演は、聴くだけではなく、いっしょに考えること、つまり「参加すること」で完結するような気がしていました。そして、おそらく彼はピカイチのファシリテイターであるに違いないとも。そこで、今回は石川さんに無理を言ってワークショップをやっていただきました。「地球と人類が抱える8つの課題」をめぐって、いつものはみだし塾にはない、参加者相互の交流が生まれました。もしかしたら、参加者のなかから、そこにあがった「とんでもない発想」をすぐに行動に移してしまう人が現れるのではないか。そんなことをふと思わせる、楽しく、ちょっと真剣なセッションでした。石川さん、ありがとうございました!

 さて、次回からしばらくの間、はみだし塾は「メディア」をテーマにさまざまなゲストをお招きしようと思います。そのトップバターは、テレビ界からTBS総合研究所代表の氏家夏彦さん。広告の世界でも、テレビCMが効かなくなったといわれて久しくなります。人々がテレビを見なくなったとか、おもしろい番組が少なくなったなどと、ソーシャルメディアの隆盛と「テレビ離れ」が加速するなか、テレビ界の人たちは、テレビというメディアの行方と可能性をどう見ているのでしょうか?テレビの黄金時代を生き抜いてきた氏家さんの分析に注目!です。4月21日のはみだし塾に、ご期待ください。

はみだし泰造