第4回はみだし塾

2011.12.26

 

「はみだしプロジェクト」は主に広告の企画制作に携わるスタッフのモチベーションアップを狙っています。

2011年12月5日、「はみだしプロジェクト」の一環で、広告クリエイターや各シーンで活躍しているアーティストの仕事への取り組みや考え方を学ぶ「第4回はみだし塾」が2人のゲストを招いて開催されました。
1人目は、広告写真家、テレビCMの撮影、演出を手掛け、東北復興支援として「スマイルレタープロジェクト」(以下・スマイルレター)(http://smile-letter.com)を立ち上げた蓮井幹生氏。同プロジェクトスタートのきっかけは、被災地を訪れた蓮井氏が、「自分が元気でいること」を遠方の友人・知人に手紙を書いている被災者の姿を見たことをきっかけに始動。「被災者を手紙の力で笑顔にしよう!」をコンセプトに、被災地の現場でポートレイト撮影を行い、その場でハガキサイズに出力、切手と一緒に被災者に渡し、手紙を書いてもらうという活動を行っています。この他にも地震の被害によって写真を失ってしまった人のために撮影した写真を贈呈しています。また蓮井氏は、「スマイルレター」の一環として"力強く生きている東北人の姿(顔)"の写真を海外に持っていく、さらなる復興支援を計画しています。

2人目は、大手広告会社に勤務し、個人の活動として「LIGHT UP NIPPON」(http://lightupnippon.jp/)の発起人となった高田佳岳氏。震災によって東京湾花火大会の開催が中止になったことで、「花火が余っているのではないか」と同氏が感じたのをきっかけに始動し、津波の被害が大きかった太平洋沿岸の各被災地で「追悼」と「復興」の意味を込めて花火大会を企画。「日本を少しでも明るく」、「東北の子ども達を笑顔にしたい」をコンセプトに展開し、2011年8月11日、太平洋沿岸の被災地10ヶ所で一斉に打ち上げ、多くのメディアが取り上げました。「LIGHT UP NIPPON」でかかった費用は協賛企業、個人の募金によってまかなわれています。高田氏は、今後も「LIGHT UP NIPPON」を引き続き実施していく予定ですが、「震災で家や道路など形あるものがたくさん壊れましたが、元に戻すには時間が解決してくれます。自分はそこで地震以前よりもいい環境作りのサポートをしていきたいです」と語りました。

広告の仕事を主軸にしながらも "持ち場"をはみだして東北復興支援の活動を行っているお二人にプロジェクトを通じて感じたことを語っていただいた。

☆蓮井幹生氏

◎沢山の人が見るポスターの仕事と、一人が涙を流して喜んでくれる「スマイルレター」。価値の差はない。
◎36年間、広告作りに携わってきたからこそ今の活動があり、また東北の人達に"写真家の価値"を教えられた。
◎東北への支援は"ひっぱり"ではなく、"後押し"であることが大切。
◎支援は1人の力では限界がある。チームで動いていくことが重要。
◎「生活基盤」の次は「東北文化の盛り上げ」。人が育つ過程で文化を欠かすことはできない。


☆高田佳岳氏

◎震災後、行政も企業も東京周辺の人達も"人との距離"が近づいてきた。今こそはみだすタイミングです。
◎実行委員会は被災地の方々に一任することで "自立"を促し、自分は予算の確保、PR、実施運営計画などを担当。
◎段取りの仕方、仲間の集め方など広告会社で学んだことを活かすことができた。
◎イベントの様子を映像におさめ、動画サイトアップしてきたが、情報の広がりなど圧倒的な映像の力を感じている。
◎東北の人が獲ったものや作ったものが売れず、どうしたらよいのか苦しんでいます。今こそ広告のノウハウを!



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第4回ゲストプロフィール
蓮井幹生氏 
1955年東京都出身。アートディレクターを経て、写真の道へ入る。
1988年初めての個展を開催以後、様々なカルチャー誌で著名人のポートレイトを撮影。その後広告写真家として多彩なジャンルの広告作品に参加。2000年、ユニクロのキャンペーンで初めてのCFを撮影。その後 CFカメラマンおよび演出家としても活動を開始。2004年ネスカフェエクセラ「夏の香り」にて ACC 特別賞ベスト撮影賞受賞。ADC、ACC、TCC など参加作品に受賞歴多数。2009年「Peace Land」、2010年「詠む写真」がフランス国立図書館にパーマネントコレクションとして所蔵。スマイルレタープロジェクトは東北での支援活動を続けている中で、現地で暮らす方達から手紙を書きたいという声を多数聞いたことがきっかけで誕生。その場で写真を撮り、すぐにハガキサイズに出力し、切手と一緒にお渡しするというもの。ウェブサイトにて活動報告とともに、許可をいただいた方に限り写真を掲載中。http://smile-letter.com


高田佳岳氏 
1977年5月6日生 AB型
幼少期からずっと海が好きで、毎週海に通い、海に潜っていた。その後、東京水産大学に進学。2年目にスキューバダイビングのインストラクターになり、プロとして活動。同時期にスピアフィッシング(素潜りで海に潜り、銛や水中銃で魚を獲るスポーツ)を覚え、ただの素潜り遊びから、この競技に没頭。海好きが乗じて、東京大学海洋研究所に進学。岩手県大槌町の研究センターに所属。アザラシの研究でロシア北極圏に行き、エスキモーやチュクチのハンターと一緒に、流氷の上でハンティングをしながら研究。海と北極と狩猟で培った経験から、感性を研ぎ澄まし、自然と共に生きることを学ぶ。2005年、日本特有の「サラリーマン経験」を積むために就職。希望通り、27歳にして初めて、社会の厳しさ、サラリーマンの厳しさを経験。しかし、そもそも「生きるか死ぬか」しか判断基準のなかった自分にとっては、とても新鮮ですばらしい経験であった。3月11日、大学院時代に過ごした大槌も津波に飲まれ、町は壊滅状態。古い仲間、お世話になったみんなのことが気に掛かり、自分にできることを必死で考えた。そのうち、「自分にしかできないこと」を探すようになり、LIGHT UP NIPPON(http://lightupnippon.jp/)を思いついた。そこからは就職して身につけた「プロデュース力」を活かし、実施に向かい奔走。なんとか8月11日の成功へとつながった。現在は、東北の真の復興を目指し、継続した支援活動を考えている。